平成31年3月6日、自由民主党政務調査会データヘルス推進特命委員会(委員長:塩崎恭久衆議院議員)の病院等全国情報インフラWG(主査:村井英樹衆議院議員)にお招きいただき、「地域医療連携ネットワークの現場から〜ピカピカリンクの利活用と課題〜」と題して、佐賀県診療情報地域連携システム協議会の田中会長が講演を行いました。
田中会長は、ピカピカリンクの概要や運営スキーム、県の支援体制などについて紹介をした後、今後目指すべき姿として「災害時医療に真に役立つ仕組み」という目標を示し、その実現に向けての課題(必要とされる診療情報の開示、全患者の属性情報の集約、名寄せの自動化等)を指摘して、解決に向けた取組を要請しました。
講演後は、WGメンバーの先生方から多数の質問をいただき、活発な意見交換が行われました。
(意見交換の要旨)
Q 政府をあげて「働き方改革」を推進しているが、そうした点で役立つものか?
A 医師にとっては、診療情報提供書等の書類の作成が負担だが、ピカピカリンクで情報共有を行うことで、それらの書類が簡素化できるため、「働き方改革」にも資すると思う。ただし、前提として、カルテ記事を始めとする豊富な診療情報が開示されていることが必要
Q 実際の利用状況はどうか?
A アクティブに利用されている。例えば、転院を予定しているリハビリ病院が、ピカピカリンクで事前に情報収集を行い、受入に備えるなどといった使われ方もある
Q 開示施設からの一方向の情報共有にとどまるのか?
A 閲覧施設がピカピカリンクにコメントを書き込むことで、開示施設にメールが届く機能があり、閲覧施設からも情報発信が行われている。また、機能強化により、診療所の電子カルテのデータもアップロードできるようになったが、電子カルテの導入率がまだ低いこともあり、普及はこれからである
Q 「なりすまし」の対策は?
A 「なりすまし」を完全になくすことはできないが、参加に際してセキュリティ研修の受講を義務付けるなど、対策を講じている
Q 地域包括ケアシステムに関わる多職種が利用できるものか?
A 訪問看護ステーションの看護師や調剤薬局の薬剤師、歯科診療所の歯科医師なども利用している。調剤薬局については、調剤レセプトデータをアップロードする機能の普及を進めており、処方情報と調剤情報がピカピカリンクで共有されることで、ポリファーマシーへの対応も可能になると期待している
Q 素晴らしい仕組み。こうしたメリットを県民に広く理解してもらうことで、登録患者数も増すのでは?
A メリットの情報発信に務めたい。患者の方から「ピカピカリンクに登録して欲しい」と言ってもらえるようになればよい